目をみて・・・手をとって
その日は何がいけなかったのだろう。
何がこういうことになってしまったのだろう。
目をみて…手をとって01
「やっ、やぁだってば…っ!」
「へへっ」
押しかかる身体が不快で、
かかる荒い息が生臭く、
必死で逃げを打つ自分に這わせる舌が気持ち悪い。
「やだぁ〜っ。カカシ先生ー…っ」
首筋に這う指にナルトはカカシに助けを求めた。
最近付き合いを始めた二人。勿論、手の早いカカシのこと。
ナルトとカカシはもう身体の付き合いも済んでいた。
だから、これから起こることの内容が分かる。
分かるからこそ、ナルトは逃げたかったのだし、カカシに助けを求めたのだ。
「せんせぇーっ。カカシせんせぇ〜!」
「ちっ。うるせぇガキだな、少しは大人しくできねえのか」
「やだ、やだってば…ぁ…!」
「うるせぇ口には…、」
「は、むうぅっ〜!うぅぅっ…!」
男は叫ぶナルトの口を襲った時に破れたナルトの服で覆った。
辺りは暗闇で、人通りのない森の中だといってもさすがにこうも大声で抵抗されては、騒ぎに気付いた誰かに駆けつけられては意味がない。
「へ、これで喋れないだろっ」
男は舌なめずりをし、ナルトの細い足を抱え上げた。
青白い月に照らされたナルトの足が細かく震える。
カカシ以外が触れたことのない場所。そこに今まさに別の男の猛った濡れたモノが内股に当たっている。
「んうぅ…っ…!」
ナルトが考えた最も最悪な状況にどんどんと進んでいく。
力いっぱいの抵抗は大人の男の前では無力だ。
そのまま奥まった秘所に、男のモノが滑りに助けられてするっと進入してくる。
そして…
「んんん、
―――
っ!!!!」
目が零れ落ちるのではないか…というほどに開いた。
「んうぅっ…!うう、んん…っー!!」
「はっ、こりゃスゲェ…締め付けてきやがるっ」
男は後孔の強い締め付けに熱い息を吐き出した。
気持ちよさに、もっと快感を得ようと容赦なく男はガツンガツンとナルトの腰を抉った。
「ひっ!…ふぅううんんっっ…」
見開いた目から涙が零れた。
無理やりに開かされる痛みにではなく、こころの痛みに。
それは、
男が動くたびに背中に当たる石のせいでもなく、
そこらに生えている草によってできた擦り傷のせいでもなく、
男の肉棒を咥えて無残に散った後孔でもなく、
……オレってば…先生以外のモノを……
ナルトのカカシへの想いの裏切りとなったその行為に、ナルトのこころがギシギシと音を立てる、その痛みそのものだった。
それを認めた途端、ナルトの涙は止まることを知らず頬を流れた。
「そこで、なにしてんの」
「っ!?」
男がナルトを犯しはじめて数十分ほどたった頃。
意識をどこかにやってぐったりとしたナルトの身体を思うままに貪っていた男は、突然の声に動きを止めた。
振り返り暗闇の中、声のした方を目を凝らして見る。
しかし、
「だ、だれだっ!」
それは闇の中へと消えていき、帰ってくる声はない。
「姿をみせやがれっ」
男はナルトから身体を離すと立ち上がった。
繋がりをなくし、支えがなくなったナルトの身体がくたり、と草の上に落ちる。
用心深く辺りを見回してみても、人影なんか見えやしなかった。
深い森の色と宵闇の静けさに男は先程の声の不気味さに身体をぶるりっと震わせた。
そして一歩足を前に踏み出した時、
「あ〜あ…、やってくれたね…」
溜め息交じりの声がすぐ背後でし、男はひっと息を呑んだ。
その一瞬。
恐る恐る振り返った男の目が暗転する。
白刃のきらめきを目にした時にはぐらり、と男の頭部が首から揺らめぎ、ゴトリという音を立てて足元に落ちる。次いで、ドシンっという大きな音を響かせながら、首から下の身体が地に伏した。
「……罰だよ」
抑揚のない声が闇に吸い込まれる。
返り血ひとつ浴びず、なんの感慨もない眼が今さっき己の手で生を絶たれた肉塊を見下ろした。
「…う…っ、」
微かな呻き声。
辺りに漂う血臭に目を覚ましたナルトが上げたものだ。
そのナルトに肉塊を見下ろしていた眼が注がれる。
「せん、せい…?」
「……」
その眼の持ち主
―――
カカシを見つけたナルトはカカシを呼んだ。
動けないナルトの傍にカカシはすっと座り込む。
近くにある存在にナルトは安堵した。
ずっと助けを呼んでいた相手が現れたのだから、ほっとするのは当然だろう。
しかし、ほっとしたのも束の間。
ナルトは自分の状態を思い出し、ツラそうに眉を寄せた。
今にも泣き出しそうな表情である。
「オレ……、オレってば…っ。先生っ…」
ナルトの伝えたいこと。それはナルトの裸の下半身を見ればすぐ分かることだったが、
「…せんせ?」
震える手でカカシの服を掴んで、必死に事態を伝えようとするナルトのその手を、容赦なくカカシは無下に払った。
「……」
カカシは黙ったまま、冷たい眼差しをナルトに注ぐ。
「…せんせ…」
ナルトは冷たく払われた手とカカシの眼を茫然と何度も見比べ、
「ど、して?」
そう問うしかなかった。
掠れた声がカカシに語りかけるが、カカシは何も返さない。
そして、そこから立ち上がると。
「触らないでくれる?汚れたお前なんかいらないよ」
傷つき、立ち上がることのできないナルトを置いたまま。
振り返ることもせずに颯爽とその場から姿を消したのだった。
「え…、どして…?せんせ、い」
…汚れたって…?
…いらない…って?
残されたナルトは茫然とカカシの去った方向を見た。
そこにはもうカカシの姿はなく、黒い空間だけだったが。
「……せんせぇーっ、せんせぇっ?」
何度も、何度も呼びかけたナルト。
しかし闇へと吸い込まれた小さな呼びかけに返す声はない。
代わりに、ポツリと小さな雫が頬に落ちた。
その絶望的な反応にナルトは声を震わせた。
「っ、うぅ…っ…う…」
咽喉に張りついた声は嗚咽となって、泣き声にはならなかった。
泣きたいのに、乾いた涙の痕を辿るのは温かな涙ではなく、冷たい雨の水。
次第に強くなってくる雨足に、ナルトは身を震わせて、声も涙も出さずに泣いた。
冷たいはずの雨に温もりを感じながら…、
今起こったことが嘘だと信じながら……。
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作者余談・・・
ナルト●姦されちゃいました。一度はやってみたかった。これからが大変です。
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