ただ一度だけの永遠
夜明けの夢で、俺は冷たい夢を見た。
暗闇の中、裸足のまま立ち尽くす、14歳の俺。
言葉もなく、ただ唇を噛み締めて………
頬を伝う涙だけが暖かい
そんな、冷たい夢を―――
ただ一度だけの永遠
「久し振りだな…ガキの頃の夢をみるなんて」
そう、ひとりごちてカカシは寝袋の中で目を覚ました。
「……」
いつもなら、
「カカシセンセー!朝ご飯だってばよっ!いつまで寝てるんだってばぁ」
と、明るく、陽だまりのような笑顔が自分を起こしてくれるというのに…
今は、大きな岩の頂で、サスケに修業をつける毎日。
「虚しいねぇ〜」
言葉に出してみると、より一層虚しさが増してくる。
「おい、カカシ、いつまで寝てるんだ、メシだ、とっとと起きろ」
そうサスケの声が聞こえたかと思うと、徐に寝袋を蹴飛ばされた。
これがナルトだったら、蹴飛ばされても嬉しいのになぁ〜と思いながら
ゴソゴソと寝袋から這い出る。
「……また、おむすびぃ〜?」
「うるさい、だったら食うな!」
修業を始めてから今まで、朝は決まっておむすびだった。
「たまには、納豆とか、そういうの買ってきたら?」
「…俺が嫌いなのを知って、いってやがんのか?」
「いんや、知らないよ。お前の好き嫌いなんて、俺興味ないもんね」
「…フン」
「今度は俺が買い出しに行って来るよ」
「好きにしろ」
サスケはカカシを無視して、食べ始めた。
「はぁ…今日も1日お前の仏頂面を眺めてるのかぁ…虚しいねぇ」
「お互いさまだ!」
「…でも、この間の買出しの時、お前さぁ、ナルトのところに行ったデショ?」
今まで剣呑だった右目が、ギラリと光った。
「…いってない」
「まぁ、でも、会えなかったみたいだけどねぇ〜」
「…何で知っている…?」
サスケの、お茶を飲もうとした手がピタリと止まった。
「あ、やっぱり行ったんだ。教えてもらっている分際で、寄り道なんてねぇ…」
「……」
サスケはお茶をゴクゴクと一気に飲んだ。
「サスケ…今日の修業はちょ〜とキツイよ…?」
「…フン、望むところだ」
そして、2人の修業が始まった。
それは、まだ、山の麓に朝焼けが綺麗に残っている頃だった。
「じゃ、ちょっと行ってくるからさ、買出し」
「はぁ?こんな時間に店なんて開いてないだろ」
それはもう、宵の口など通り越して、よい子は眠っている時間帯だった。
「買ってくるのは、朝だから大丈夫」
「何?」
カカシは、よっ…と立ち上がると、
「あ、出られない様に、結界張っていくから…ムダだよ?」
そして、ニッコリと笑うと、スッ…と姿を消した。
「カカシ…ッ!」
その夜、カカシはナルトの元を訪れた。
宿屋の窓から、ナルトの寝顔がよく見える。
「ナルト…」
鍵のかかった窓を器用に開けると、ベッドに眠っているナルトの頬をそっと撫でた。
「ン…」
目覚めるまでにはいかない、ささやかな刺激。
「ナルト…」
そして口布を下ろすと、頬に、鼻に、眦に、口づけを落とす。
「…目を覚まして、俺を見てよ」
ナルトの柔らかな唇を指でなぞると、唇を重ねる。
最初は、羽根のように軽く、そして徐々に深い、深い口づけを。
「…ンンっ…」
その口づけで、ナルトはゆっくりと目を覚ます。
「やっと、お目覚めだね、ナルト」
「…え…?カカシセンセー…?」
ナルトは大きな目を瞬かせて、驚いたような顔をしている。
「会いたかったよ、ナルト…」
そういって、寝ているナルトを抱き起こした。
ナルトの体が一瞬、固くなる。
「…センセーが、俺のこと嫌がったんじゃんかよ…」
「ごめんね」
「なのに、急に会いにくんなってば…」
「いろいろ事情があってね…」
「そんなこと、知らねーってばよ」
ナルトは、カカシの腕の中から逃げようと、もがいている。
そんなナルトの耳元で、
「ナルトは俺に会いたくなかったの?」
と囁くと、ナルトの抵抗はピタリと止まった。
「俺はお前に会いたかったよ。
会いたくて、会いたくて、会いたくて…どうしようもなかった」
「…うそばっかり」
「うそじゃないよ」
「うそ…だもん」
「うそじゃない」
そしてナルトは、胸の中から涙が溢れんばかりの瞳で見上げると、
「うそばっかりぃ〜〜〜!」
そういって、カカシに抱きついて泣き出してしまった。
「ナルト、ごめん…ごめんな」
ナイトキャップの取れた柔らかな髪を優しく撫でながら、
カカシは何度も何度も許しを請う。
「俺の全てをお前にあげるから…過去も、未来も、来世も、全てあげるから…」
そんな言葉に、ナルトは顔を上げた。
驚きで、涙も止まってしまっている。
「俺の全てをあげるから…だから、ずっと側にいてよ、ナルト…」
カカシはナルトの濡れた頬をそっと指で拭う。
「カカシセンセー…俺でいいの…?」
「ああ、お前がいい」
その言葉にナルトの顔が綻んでいく。
「俺の全ては、もうとっくにカカシセンセーのもんだってばよ。
過去も、現在も、そして未来も…カカシセンセーの好きにしていいってばよ…」
「ナルト…」
「だから、まずは…"現在"を好きにしてってば…」
そういうと、ナルトはそっとカカシの唇に口づけをした。
そして、それに反応するかのように、カカシが激しく貪り始める…
短い夜の幕開けだった。
「あ…っ、センセ…!」
ナルトの汗ばんだ上腿がしなっている。
そして、カカシが背後から突き上げるたびにあがる、よがり声。
「どうした、の…っ…、今日はえらく…素直に、感じてる…じゃ、ない…っ!」
「そんなこと、な…っんん…っ…」
前立腺への刺激に、ナルトの上腿が一段と仰け反りかえる。
そして、カカシを迎え入れている襞も、その刺激に伸縮を繰り返す。
「ほら…、お前の中も喜んでるよ…っ、…ナルト…欲しかったんでしょ」
「ち…違…っ!」
「ほら、急にこっちを向かないの、抜けちゃうで…しょっ!」
そういって、一気に奥まで突き上げる。
「あう…っ!!」
「前だけじゃ、満足できない体だもんねぇ…」
カカシは何度も何度もナルトを突き上げている。
そのたびにあがる、甘い喘ぎ声…
「何も触ってないのに、お前のココはこんなに溢れてるし…」
突き上げるたびに揺れるナルト自身からは、先走りが漏れて、
しっとりとシーツを濡らしていた。
「さっき、俺の口の中でイッたばっかりでしょ?ナルト…」
そんなカカシの言葉など聞こえないかのように、ナルトはこの行為に没頭している。
「ああ…ん、センセ…っ!カカ、シぃ、セ、ンセぇ…っ、んぁ…もっとぉ…っ!」
「そんなに欲しいんなら…」
カカシはそのまま、ひょい…とナルトを上向きにさせると、
自分の腰にナルトの足を絡めさせ、自分は仰向けに寝転がった。
「ふぇ…?」
ナルトはカカシの上にまたがった状態である。
「そんなに欲しいんなら、自分で気持ちいいように動いて?
このほうが、俺もお前のココ、絡みつきがよくて、すごく気持ちいいしさぁ」
そんなカカシの要求に、いつもなら恥ずかしがって、中々動かないナルトだったが、
「……んぁ…」
と、ナルトはゆっくり、自ら腰を動かし始めた。
「…やっぱり今日はえらく素直だね…そんなに欲しかったんだ…」
その言葉に耳まで赤くなりながらも、腰を動かす事はやめなかった。
カカシはゆっくりと起き上がると、顔をナルトの耳元に近づけて、
「ねぇ…欲しかったの…?」
と、ねっとりとした口調で問いかけた。
その問いかけに、コクン…とナルトが頷く。
カカシは満足そうに微笑むと、再び寝転がってナルトの動作を垣間見る。
ナルトが動くたびに、襞が吸い付くようにカカシ自身を包み込む…
目一杯広がった紅い襞が、どす黒く光っている肉棒を呑み込み、離れる様は
否応にもカカシの欲望を刺激する。
視覚からの刺激と、カカシ自身への刺激とで、
カカシにもそろそろ我慢の限界が近づいていた。
「ナルトは、後ろに俺のモノを入れないと、満足できない体だもんねぇ…」
「…そうしたの、誰だってばよ…」
「は〜い、俺です…だから、責任とってるデショ?」
そういって、下からズン…っと突き上げた。
「あう…っ!」
「ねぇ、ナルト…そろそろイかしてくれる?俺、もう限界」
「年寄りくせぇってばよ」
「あ、そっ…、ふ〜ん…じゃ、お前からイかせてぇ〜って言わせてあげる」
そういうと、一度抜いてからナルトをベッドの上に座らせると、足を担ぎ上げながら
上から覆いかぶさり、再び一気に貫いた。
「ああ…っ!!」
「ナルトのいい所は…ココだね」
そういってピンポイントで責めていくカカシ。
「ああ…っ、やぁ〜…ってばぁ…っ!」
「気持ちいいでしょ?でも、言うまでイかせてあげないからねぇ〜」
そして、2人の腹の間で揺れているナルト自身を捕まえると、
指で根元をギュッと締めてしまった。
「あうっ…!」
「ほら…、言わないと…っ、イけないよ…?気持ち悪くなっちゃう…よ…っ」
ピンポイントで突く速さは、どんどん早くなってくる…
それに比例して、ナルトの瞳は虚ろになり、息も絶え絶えになって行く…
「…センセ…センセェ…お・願・い…イかせてぇ…」
「…イきたいの…?しようがないねぇ…」
カカシは指の戒めを解くと、カカシ自身をゆっくり引き抜いてから、一気に突き上げた。
「んぁ…っ!!」
ナルトは白濁色の液体を自分の胸や腹に吐き出すと、ふわ…っと意識を手放した。
カカシもまた、ナルトの締め上げに、己の欲望を解放していた。
雀のさえずりに、カカシは、優しい気分で目が覚めた。
腕の中には、安らかに眠っているナルトの寝顔…
「ナルト…」
カカシは優しく呟くと、ナルトの柔らかな髪に口付けをした。
―――
お前だけが、俺を暗闇から救ってくれる、唯一の光…
カカシは離れてみて、改めてそう感じていた。
ひとりのときは、何も怖いものはなく、自由なものだ。
しかし、1人で見つめていたあの永遠は、カカシにとってひどく孤独なものだった。
でも、ナルトと2人で見つめる永遠は、2人で歩む、確かなもの。
そして、その永遠は、ただ一度だけ訪れるのだ。
ナルトと歩む永遠にだけ…
「ナルト…愛してる」
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夜明けの夢で、俺は綺麗な海の夢をみた。
裸足のまま、砂浜に佇む、少し年を重ねた俺。
そしてその前には、砂浜を駆けてくる、少し大人になったナルト。
俺は、そんなナルトの手をとり、笑っている…
そんな、暖かい夢を
―――
<終>
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読後感想・・・
はぁ〜い☆
しっかり美味しく戴いてきましたvV砂倉まおさんの50000HIT記念!!もう、なんというか……っ!カカシ先生の抜け目なさといい、ナルトの欲しがる可愛い姿といい…っ!
悦です…vV
青川はニヤリニヤリとしながら、読ませて頂きました♪まおさんの小説の一ファンである私としてはこのフリーは速攻ダウンロード!!
皆さんも是非、まおさんのサイトにレッツゴー!!(素敵サイトからドウゾ☆)です!!ウフフフ…っvV
素敵なお話ありがとうございました!!