別に嫌いなわけじゃない。

ただ、俺たちは男同士だから大っぴらに言えないコトだってある。
今伝えたいことがたまたまそれにぶつかっただけだ。
だから、こうして夢の中にいる時だけ、素直な気持ちになって想いをぶつけられる。

“アンタがスキだ”

年上のあんたにいう台詞じゃないけれど、我が儘なあんたが可愛くってどうしようもない。

“アンタがスキだ。もうどうしようもないほど”

いつもは取り澄ました顔をして、表情ひとつ変えずに淡々としているあんたが俺にだけ向けてくれる、柔らかい顔。

“アンタが好きだ”

あんたの視線をすべて俺に向けさせたい。
だからわざとあんたが嫌いな真似をしてみせて、注意を引く。
いつもこんな俺にあんたは付き合ってくれてる・・・。
無駄なことが嫌いなくせにな・・・・・・。これって、期待を持っていいってことなのか?
俺は単純だから、勝手にそう思い込んでしまう。

だけどな。こんな単純な俺でも怖いものがある。
あんたに拒否られることだ。
だから俺、夢でしか言えない。

“アンタが好きだ。大好きなんだ。好きで好きで堪らなくって、苦しい・・・っ”

この想いを解放させてやりたい。
だけどこれは絶対にしてはいけないことだ。
だって、あんた苦しむもんな。
だから言わない。現実では言えない。


夢の中でなら言える。


“アンタが好きだよ”



ああ、どうしてだろう。
あんたが微笑んでる。

俺の今日の夢見はいいみたいだ















   






お題よっつめ消化〜☆

特にはコメントないんですが・・・。
このSSは眠っている彼の方の言葉です。


ちょっとしたオマケページ・・・。


配布元
 「プラトニックBLスキーに50のお題