“手を繋いで歩こう”



毎度毎度、強引なあのバカにはまいる…。

今日だって、嫌で付き合わされた遊びからやっと解放されると思ったら…。あのバカに強引に手を掴まれてしまい、逃げることが叶わなくなってしまった。
疲れた身体を引っ張って、颯爽と帰ってやろうと思っていたのにこれじゃあ出来そうにもない。

まったく…。
ちゃらちゃらした雰囲気を持つこの男の割りに、力強い。
いつもこの力強さと、強引さに折れてしまっている俺がイル…。

それにしても
今日はどうしたんだろうか…。始終、この世の終わりが来たとしても能天気そうなこのバカだが、今日は特別に頭が悪そうな顔をしている。にへらっ、と笑って締まりがない。この上なくバカそうだ。
だが、それと同時に嬉しそうな顔とも言える。

ああ、どうしたんだか…。
誰か教えてくれ。このバカの考えていることを…。



 * * * * * * * * * * * * * 



今日の日まで、ここまで鈍い奴だとは思っていなかった。

俺の幼馴染であるこいつは、鈍感だ。
それはもう、ひとが呆れるくらいに、だ。迷惑を承知で休みの日となれば…、いや学校の帰りの時間にだって空いている時間があれば、こいつを連れまわしているのに。
俺の気持ちに気づきもしない。ただの、お祭りお遊び大好きな能天気野郎としか思われていない。

俺だって、一人の人間にそれもヤロウに構っていられるほど、暇な奴じゃあない。お前だから、鬱陶しがられても構っているのに、いい加減気づけよっ。

俺はそこまで気が長いわけじゃないんだぜ?

しかし
今日というHAPPYな日を忘れているだなんて、こいつにも困ったもんだ。
俺にとって今日という日以上に、素晴らしい日はない。
今日だって嫌がるお前を連れて、お前の好きそうな店に行ったっていうのに気づきやしない。どうせ、俺がこっそり買った物にも気づいていなかったんだろう。

だけどな、後で見ていろよ?
用意された大掛かりなパーティにきっと、お前は目を見開く。
お前、鈍感なクセにそういうのには弱いもんなあ。
お前の驚く顔が楽しみだぜ。
そしたら俺は言ってやるんだ。

“HAPPY BIRTHDAYっ! YUMA”

てな。










   






お題みっつめ消化〜☆

今回は二人の視点から書かせていただきました〜♪
なんだかこの二人のキャラ、気に入っちゃった!!
そのうちまた出てくるかも??もしくは小説方に…。


配布元
 「プラトニックBLスキーに50のお題